政府は、国内で販売される【新車】に衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)の取り付けを義務づける方針を固めました。
新車への自動ブレーキの義務化は早ければ2021年度から、その数年後に既存の【自動ブレーキ非搭載の車種】も義務づけられる方向で調整しているようです。
「既に自動ブレーキが搭載されているクルマに乗っているから大丈夫!」と思っても、安心してはいけません。
あなたのクルマに搭載されている自動ブレーキの性能は【国際基準】を満たしていますか?
本記事では、自動ブレーキの義務化について詳しくまとめてみました。
新車の自動ブレーキが義務化されるのは2021年11月以降!その数年後に既存車も自動ブレーキが義務化される
新車(モデルチェンジ含む)の自動ブレーキが義務化されるのは2021年11月以降から、既存の車種はその数年後から義務化される方向で調整中です。
義務づけの対象になるのは、「乗用車」や「軽自動車」、「軽トラック」など。
「大型トラック」や「バス」については、2014年以降から自動ブレーキの取り付けが順次義務づけられています。
高齢ドライバーによる事故が相次ぐなかで、政府は2019年6月の緊急対策で、自動ブレーキの基準づくりと新車への義務づけについて、年内にも結論を出す方針を示していました。
自動ブレーキの義務化で安全性が増す一方で、メーカーの開発状況によってはクルマの販売価格が上がる可能性が出てきそうですね...。
また、現在は自動車メーカー各社から販売されているクルマによって、自動ブレーキの性能に差があります。
自動ブレーキの性能差については、下記の国際基準を満たしている必要があります。
国際基準を満たす自動ブレーキの性能とは?
自動ブレーキの性能については、2019年6月に国連の専門部会で国際的な基準が決まりました。
自動ブレーキの国際基準
参考:https://www.asahi.com/articles/photo/AS20191126003617.html
- 時速40キロで走行中、前に停車している車にぶつからずに止まる
- 60キロで走っていて、前を20キロで走る車にぶつからない
- 30キロで走行中、時速5キロで前を横切る歩行者にぶつからずに止まる
上記3つの条件を揃えることが求められます。
かなり厳しい内容なので、あなたのクルマに自動ブレーキが搭載されていたとしても、上記の国際基準を満たせていない可能性が高いです。
というのも、自動ブレーキ性能の国内基準では・・・
- 時速50キロで走っている時に前方で停止している車にぶつからない、またはぶつかるときに20キロ以下になっている
- 時速50キロで走っていても前方を20キロで走っている車にぶつからない
国際基準よりも10キロの幅があり、歩行者に関しては基準を満たす必要がない状態です
だから国内で販売されている車の多くは、自動ブレーキが付いていても国際基準をクリアしていない可能性が非常に高いです。
そして自動ブレーキが義務化されることで、【中古車市場】や【リセールバリュー】にも影響が出てきます。
中古車市場にも影響!?自動ブレーキ非搭載の車はリセールバリューが安くなるかも
自動ブレーキが標準装備化されていくと、リセールバリューにも影響が出てきます。
リセールバリューとは、これまで乗っていた車を【下取り】や【買い取り】に出した際の価値のこと。
基本的にリセールバリューは新車価格に比例しますが、その時の市場ニーズも大きく影響します。
2021年以降、既存のクルマも自動ブレーキが義務化されると、中古車市場も自動ブレーキ搭載車の人気が高まることが予想されています。
つまり、「自動ブレーキが搭載されていないクルマ」や「自動ブレーキの性能が国際基準を満たしていないクルマ」は、リセールバリューが安くなってしまう可能性が高いです。
まだクルマを売却する気がない方でも、自動ブレーキが義務化されていない今が一番高く売れやすい時期なので、今のうちに売却価格だけでも調べておくとよいでしょう。
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スポーツカーなどMT車も自動ブレーキが搭載し始めている
スポーツカーなどMT車には自動ブレーキが搭載されていない、というかニーズがありませんでした。
もちろんMT車でも技術的には自動ブレーキの搭載は可能でしょう。
でも、自動ブレーキが作動して、クラッチを切れなかったら...エンストしてしまいますよね。
自動ブレーキは付けられるけど、エンストするのがややこしいことになるから、MT車には自動ブレーキを付けたくないというのがメーカー側の実情ではないかと思います。
もちろん、自動ブレーキが作動する状態だと前に何かしらの障害物があるわけですから、急いでエンジンを再始動しないといけない事態では無いと思います。
自動ブレーキ作動時はハザードが速く点灯するはずなので、後方にも急制動したと判りますからね。
でも、現在はスポーツカー(MT車)に自動ブレーキが搭載され始めています。
例えば「MAZDAロードスター」や「SUZUKIスイフトスポーツ」は、オートマチック車はもちろん、マニュアル車にも自動ブレーキが搭載されていますね。
ただスポーツカー(MT車)で人気のある「トヨタ86(スバルBRZ)」や「日産GTR・フェアレディZ」、「ホンダNSX」などには自動ブレーキが付いていません。
スポーツカーの人気も落ちる中、自動ブレーキが義務化までされちゃうと絶版になってしまう可能性も出てきました...。
いま発売されているスポーツカーが欲しい方は、自動ブレーキ義務化で絶版になってしまう前に手に入れておきたいですね。
自動車メーカー各社に搭載されている自動ブレーキ
自動車メーカー各社に搭載されている自動ブレーキの性能を表にまとめてみました。
トヨタ | ホンダ | マツダ | スバル | 三菱 | 日産 | ダイハツ | |
名称 | Toyota Safety Sense (トヨタセーフティセンス) |
Honda SENSING (ホンダセンシング) |
i-ACTIVSENSE (アイアクティブセンス) |
アイサイト | e−アシスト | インテリジェントエマージェンシーブレーキ | スマートアシスト |
歩行者対応 | 可 | 可 | 可 | 可 | 可 | 可 | 可 |
動作する走行速度 | 10~80km/h | 5km/h~ | 4~80km/h | 1~160km/h | 10~80km/h | 10~80km/h | 60km/h以下 ※歩行者は50km/h以下 |
停止可能な速度差 (衝突回避) |
40km/h | 5km/h以上 | 15km/h以上 | 30~50km/h | 5~30km/h | 30km/h以下 | 30km/h以内 |
備考 | 夜間の自転車は検知できない | 夜間の歩行者・自転車は検知できない | 夜間の歩行者検知は車種による | 夜間検知は非対応 | 自転車は検知できない | 検知できるのは昼間の歩行者と車両のみ | スマートアシスト3から歩行者の検知が可能 |
まとめ
- 2021年11月以降に発売される新車から自動ブレーキの装着が義務化される予定
- 既存車(今の車)は2021年から数年後に自動ブレーキの装着が義務化される
- 自動ブレーキの対象車種は乗用車・軽自動車・軽トラックなど
- トラックやバスは2014年から自動ブレーキの装着が順次義務化されている
- 自動ブレーキの性能は国際基準を満たしている必要がある
- 既存車(今の車)の多くが自動ブレーキの国際基準を満たせていない
- 自動ブレーキ義務化で中古車市場やリセールバリューにも影響が出る
- 絶版になるスポーツカー(MT車)が出てくるかも
自動ブレーキの義務化は安全な車社会の実現には欠かせないことだと思います。
でも、自動ブレーキに求められる国際基準の性能が高いので、クルマの価格は高くなるかもしれません。
今の自動ブレーキは自動車メーカー各社で性能にバラツキがあるので仕方がないことかもしれませんが...。
また、自動ブレーキが義務化されるとリセールバリューにも影響が出てきます。
「自動ブレーキが付いていないクルマ」や付いていても「自動ブレーキの性能が国際基準を満たせていないクルマ」は、リセールバリューが安くなる可能性が高いです。
だから、自動ブレーキが義務化されていない今が一番高くクルマが売れるので、愛車の価値が下がる前に今の相場価格だけでも調べておくのが良いでしょう。
2020年に車の乗り換えを予定している方へ
消費税増税後、2020年はクルマの買い控え対策として限界まで値引きを引き出しやすくなります。
ただし、車の買い時を間違えると、高く買う羽目になるので注意しましょう。
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